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英語圏だけでなく、ヨーロッパ・アジアでも人気沸騰中のシナリオ型コンテンツをリリースしている株式会社ジーニアス。グローバルなマーケット戦略により、ますます知名度を上げています!

A group of IT engineers with jobs in Japan.
(右:代表取締役社長兼CEO/金子 新さん、左から2番目:ティムアさん)
※インタビュー&撮影:インバウンドテクノロジー株式会社 広報担当 岡本 七世
※取材日:2018/11/19

株式会社ジーニアス様について

早速御社サービスについて教えてください

金子さん:弊社では、「アップドラマ(AppDrama)」というエンターテイメント事業をやっておりまして、乙女ゲームや美少女ゲームなどのシナリオ型コンテンツを世界に発信しています。最終的に目指しているゴールは、映画・漫画・アニメ・ゲームなどのシナリオ系エンターテイメントと並ぶような新しいエンターテイメントの形を完成させたいと思っています。

VRやAIなどのIT技術が発展していくにあたり、それらと組み合わせれば、ユーザーにとってより面白いシナリオを読む体験を与えられると思っています。例えばVRと組み合わせることによって、自分がそのストーリーの中に入り込んで、いろんなキャラクターの視点で作品を楽しめます。有名な漫画のワンピースで例えると、自分がルフィだけでなく、ゾロやナミとかのいろんなキャラクターの視点で物語が読めるコンテンツなどですね!

またAIが技術的に発展すれば、疑似的な人格をストーリーの中に出現させて、一緒に物語を体験することが可能になると考えています。そういった新しいシナリオ型のコンテンツを世界に広めたくて、現在まで15か国語(日本語、英語、韓国語、中国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、タイ語、インドネシア語、アラビア語、ベトナム語、トルコ語、ポルトガル語)に翻訳して、いろんな国のユーザーを自社のファンとして取り込んでいるって感じですね。

このサービスを始めたきっかけはなんですか?

金子さん:2つあって、1つ目は自分がこのようなコンテンツが好きだからですね!シナリオ型コンテンツが好きで、映画、漫画、アニメとかの知識に関しては、なかなか誰にも負けない自負があります(笑)なので、その知識を活かしたい!と思ったのがこの事業を始めた1つのきっかけです。

2つ目は、シナリオ系コンテンツ業界には、映画や漫画があるんですが、年々市場規模が下がりつつあって、だいぶ下火になっているんですよね。

ただ僕にとって、シナリオ型コンテンツは、人の人生に左右しうるものだと思っています!僕の好きな漫画に、「アイシールド21」という作品があります。アメフトの漫画なんですが、そこに蛭魔妖一というキャラクターが登場しています。世界戦で、蛭魔が圧倒的天才の「金剛阿含」というキャラとタッグ組んだ時に、阿含が「お前に俺ほどの才能があったら」と言うんですね。それに対して、蛭間が「ないもんねだりしてるほど暇じゃねえ。あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ、一生な!」と言うんですが、その格言が僕の人生の原点になっているんですよね。

こういった人生に左右しうるシーンとか、セリフを生み出せるシナリオ型コンテンツを、今後廃らせていくのがすごくもったいないと思って、いかなる形でも自分で後世に残していきたいと考えました。でも、衰退していく市場で既存と同じものを出して、一緒に潰れたくなかったので、新しい表現である「アップドラマ」事業をやっています。

今では国内外問わず人気で、2000万ダウンロードを超えたんですよね?

金子さん:そうですね!それはマーケティングに力を入れた結果かなと思います!日本のコンテンツは、海外の一定層には人気があるにも関わらず、現状は数がかなり少ないんですよね。例えば、アメリカに展開している会社はありますが、ロシア、ドイツ、フランスとかのヨーロッパの諸国の言語でリリースしている会社は全然なくて、そこの市場が狙い目と思っています。他社がいない市場に入れたことが一番大きかったです。市場がないところに市場を作り上げたことで、会社の名前を各国に定着できました。

ロシアではVKというFacebookよりも有名なSNSが流行っていて、そのVKの中でファンがジーニアスのファンサイトを作っていて、それに2万5千人くらいが集まってくれています!

もう一つ理由があるとすれば、リリース本数の多さですね!他社さんは、一本の作品にすごく鍛錬に時間をかけて作っていて、リリースペースもそんなに多くはないですが、うちは1カ月にジャンルが違うものを6本出しているんですよね。なのでいろいろな作品を楽しめるのが、うまくいったコツかなと考えています。

もう1つの事業のグローバルマーケティング事業について教えてください!

金子さん:この事業はアップドラマ事業と結びついていて、世界中に「アップドラマ」の開発者を増やすための1つの施策として作った事業なんですね!今、自社の専用のエンジンを使って作品を作っているんですが、それを一般ユーザーや他社に共有して、アップドラマを簡単に作れるようにしたいです!

海外に出していくうえで「翻訳」は必要なので、その部分をグローバルマーケティング事業として、うちが請け負う形でやれたらなと思ってます。「アップドラマ」という大きな軸に結び付いているのが、この事業ですね。

グローバルな採用感と採用後に大切にしていること

外国籍エンジニアを採用したきっかけについて教えて下さい。

金子さん:周りのIT企業の人や、前職の人に、外国人エンジニアの優秀さを聞いていたんですよね。やっぱり、自分の育った国を離れて、日本でやっていくという気概を持った方たちなので、知識とか技術に関する貪欲さや姿勢が、日本人とは違うなと思ったのがきっかけです。最初はスペイン人エンジニアのフランクを採用しました。

岡本:今では13人の外国籍の方がいらっしゃるそうですが、国籍はどこが多いですか?

金子さん:ロシアが特に多いです。続いてアメリカ、イギリス、スペイン、韓国、台湾ですね。ロシアが多いのは、勝手に立ち上がってるファンサイトの影響は少なからずあると思うんですけど、ご紹介もロシア人が多いですね。うちの存在を知らなかった人も結構いますね。

実際に採用してみていかがですか?

金子さん:最初に採用したフランクだけでなく、御社から採用させていただいた2人も優秀で、彼ら3人がいれば大体どんなサービスでも作れてしまいます!ものすごく優秀ですね。経験の長さもですが、たぶん地頭が良い人たちなのかなと感じています!技術的な話も、全く新しい話でもすぐに吸収します。そして彼らはヲタク系コンテンツが大好きで、自分のそれへの欲求を満たすために、技術力をうまく発揮するんですよね。

御社に紹介していただいたエンジニアも、初音ミクというキャラクターを、家のどこにいても会えるように自分でVRを開発して、休日はそれを楽しんでいるそうです(笑)

岡本:自作できる技術を持ってるってすごいですね!いろんなシステムにも応用できそうですよね!

金子さん:そういったエンジンや開発ツールを商業化すれば、結構いろんな使いようがありますね。自分の趣味のために技術力を発揮するところが、本物のエンジニアですよね!そういった優秀なエンジニアが多いです。

岡本:採用後の定着の秘訣ってありますか?

金子さん:外国籍エンジニアは全部で13人、日本人も同じくらいいるんですが、うちの会社ですと今のところ日本人外国人含めて、辞めた人は2人だけですね。それくらい定着しています。

秘訣は、3つあります。1つ目は、1人1人ときっちりと面談して、その人のやりたいことを叶えられる会社にすること。 2つ目は、労働環境をかなり整えること。例えば、残業させないとか、意見が通りやすい文化を作るとか。 3つ目は、社員同士が仲良くできるようにすることです。

岡本:居心地の良さに全て繋がりますね!やりたいことを社内で本人が叶えられるかどうかは、入社前の面談で聞くんですか?

金子さん:そこは、相当すり合わせますね!結局のところ、従業員の方にも働いてもらってるので、自身がやりたいことをやれる環境を作ってあげないと、どっちも不幸になるだけなんですよね。ミスマッチングはいろんなところで起こるので、それをなくすために、事前に相談して、何をやりたいのかを含めて、深く人間性を知ったうえで採用しています。

入社後に何を一番大切にしてますか?

金子さん:入社前だけでなく毎月面談をしています。面談をする以上、自分が話しやすい人間になるしかなくて、社長は社員になめられるくらいがちょうどよいかなと思っています(笑)気軽に話してくれる雰囲気を作ると、色々出てくるんですよね。会社に対して、もっとこうした方がいいとか、こんな事業やってみたいとか。社内でこういった制度を作って変えていくことが重要なんですね。

岡本:企業ごとに社長さんの色がでますね。

金子さん:僕なんかは、新卒の女の子にため口で話されるような人間です(笑)全然気にしなくて、言いたいことを言ってくださいっていう感じなので、バシバシ言ってきますね(笑)。僕のキャラもあると思いますが、経営者層はそのスタンスが重要だと思っていて、やっぱり話しやすい存在じゃないと問題とかは上がってこないんですよね。あと、この人のために働きたくないなあと思われる人間には、ならないようにしてます。

ビジネスの特徴上外国籍の応募も多いと思いますが、月にどれくらい応募がありますか?

金子さん:全職種合わせて、外国籍だけで月に50-100人くらいですね。日本国籍はそもそも募集していないのであまり来ません。外国人も在日は10%以下だと思います。ほとんど海外に住んでいる人たちですね。エンジニアは実際に試験を受けてもらいに、交通費負担するのでと言って日本に来てもらうこともあります。

採用してよかった点、悪かった点は何ですか?

金子さん:良かった点は、自主的に動いてくれるところですね!受け身の人が多い日本人に対して、自分でやりたい思いが強くて、そのためにどのように動くべきか考え進めていくところが外国籍エンジニアの特徴ですよね。積極的に技術を吸収して、こんな事業をやりたいと提案してくれるのは外国人ならではと思います。

悪かった点としては、言語的な課題ですね。僕も一応英語はできるんですけど、特にロシア人との会話は、お互い英語が主要な言語ではないので、コミュニケーションはちょっと時間がかかりますね。なので、何度も紙に書いて、同じ話を直接何度もして、すり合わせてます。翻訳ツールは使わないで、これってこうなの?という確認作業を積極的にします。

もう1つあるとすれば、良くも悪くもやっぱみんなヲタクなので、こだわりがすごく強いんですね!ココ拘る必要あるの?みたいな(笑)まぁ変えるかみたいな感じです。こだわりに関しては割と任せているので、企画者やエンジニアには、リリースのスケジュールに合えば、とことんこだわっていいよって言ってます。

岡本:どんなところに拘りが出ますか?

金子さん:今回でいうとエンジニアが担当している、VRプロジェクトのキャラクターのセリフとかですね。このセリフはこのキャラの思想に合わないとか(笑)。最終的には、英語で書いたセリフを翻訳して、その翻訳を何回か修正させられて、ようやく通るみたいなことがありましたね。彼らの拘りポイントを読み取るのは結構、大変でしたね。

外国籍の方が増えていくにあたって変わったことはありますか?

金子さん:一番最初に入社したスペイン人エンジニアも、なんとか日本語で話そうとしてくれていますし、素直な性格なのでやりにくくはなかったです。

グローバルになったことはすごく、感じますね。なんだかんだ国籍関係なく、同じ職種同士でつるんでいます。企画同士、エンジニア同士、クリエイター同士という感じで。企画は日本人が多いので、日本語が主体となっていて、エンジニアは外国籍しかいないので外国語で話して、クリエイターは日本語がしゃべれる外国人がいるので、結構日本語で会話成立しているみたいな感じにはなっていますね。

外国籍人材と日本国籍が共存する組織で何か工夫されている事はありますか?

金子さん:飲み会を開いています!外国人メンバーを職種問わず集めて、コミュニケーションを取ってもらうと、仕事の環境でも自然と話せるんですよね。なんだかんだ言って人間関係の構築って仕事以外のところにあるのかなと思います。飲み会もそうですし、みんなでリアル脱出ゲームにも行きました!花見やピザパーティーとかもやりましたね。

一緒にご飯を食べに行けるくらいの仲っていいですよね!今は職種ごとで集まっていることが多いので、本当に国籍関係なく日本人と外国人が一緒に過ごす関係が築かれると嬉しいです。

外国籍のエンジニアにとって働きやすい環境とは

A software engineer working in Japan.

ここからは、弊社からご紹介させていただいたティムアさん(ロシア)を交えて、お話を伺いました!

なぜ日本で働こうと思いましたか?

ティムアさん:子どものころから、日本の文化とアニメと漫画が大好きです!それで少しだけ日本語を勉強しました。日本に観光に来て、日本のことをもっと好きになったので、日本で働いています。2018年の6月からなので、半年くらいです。

今は日本での生活が大好きです(笑)特にロシアと比べたら空気が良いですね。ロシアで住んでいた町は、工場が多くて空気が悪かったので、日本の方がいいです。東京は良くないとよく言われますが、ロシアと比べたらずっとましです。

来日前の日本の企業に対するイメージってどうでしたか?

ティムアさん:微妙でした。日本はルールが厳しい会社が多いとよく言われていました。でも、マーティンさん(インバウンドテクノロジーの担当者)とジーニアスの皆さんと話してすっきりしました。

海外のメディアでは日本企業はブラックだというニュースが多いですが、来日して、他の外国人と話して、日本にはブラック企業よりもホワイトカンパニーが多いことを知りました!ブラック企業の方が記事になりやすいとは思うんですが、がっかりしました。

金子さん:金子さん:海外のメディアだとそういう風に報道されているんですね(笑)

ティムアさん:個人的にロシアのコミュニティに、本当はホワイトカンパニーが多いことを書いて広めています!少なくとも、ロシアの人たちは、日本で働くのが悪くないことをわかっていってくれると思います。

金子さん:日本の労働環境が、外国人にとって良いものであることが、もっと広まっていくといいですね。 日本の企業、特にべンチャーはブラックが多いのは良くわかってます。僕自身が、前職で働いていた時に本当にブラックな働き方だったので、自分の会社はそんな会社に絶対するまいと思いました。

日本に来て1番困ったことってありますか?

ティムアさん:来日前に、日本の文化や生活についてかなり調べました。なので、あまり驚いたことや、困ったことはなかったです。言語の面で大変だったのは、病院に行ったときです。いろんな専門の医療用語があって。銀行の口座開設や、インターネット回線を引くための契約書へのサインなどは難しかったですが、特に秋葉原だと外国人のスタッフや、簡単な日本語で話してくれるスタッフが多かったのでなんとか話せました。

金子さん:やっぱりグローバル化は進んできているので、医者とか、インターネット接続とか、家の契約とか主要の部分は、英語で対応できる文化がだんだん根付いて来てますね。

実際にジーニアスで働いてみて、感じたことはなんですか?

ティムアさん:実はこの前に働いていた会社と比べると、ここはとってもリラックスして仕事できます!ここの環境は、自分の能力を活かして新しいものを作れ、スキルアップができるとてもいいところです。

自分の考えや観点を受け入れてくれて、それを使ってジーニアスのプロダクトをよりよくできるので、会社のニーズと、自分自身のスキルの相乗効果のようなものを感じています。ジーニアスに入る前にゲームを作ったことはなかったけれど、今は仕事で好きなものを作れています!ジーニアスに入って夢を叶えました!

幸せを感じれる会社を目指して

今後はどんな国のどんなマーケットを狙っていきたいですか?

金子さん:今後狙いたいマーケットは大きく2つあって、1つは中国ですね。中国って今はアプリのリリースが現地に法人がないとできないので、中国の会社と提携して一緒にやることが必要かなと思います。

もう1つは東南アジアを新しい市場として考えています。東南アジア自体は人口が多いですが、売り上げはなかなか上がりにくいですが、うちの場合は作品1本当たりのコストがあまりかかっていないので、売り上げが大きく立たなくても問題はないんです。1本あたり5-10万は回収できるというモデルなので、正直出しても損にはならないかと。

岡本:どこの国を特に狙ってますか?

金子さん:タイも伸びてるんですが、ベトナムとインドネシアは伸びしろが特に大きいですね。やっぱり人口が今後も伸びていき、GDPが伸びる国に進出して、ユーザーをつかむことがポイントだと思います。

外国籍エンジニアに期待することはなんですか?

金子さん:1番は会社の文化に慣れて、自分がやりたいことを自由にやってもらうことです!みんなエンジニアリングが好きだからこそ、その仕事を日本っていう別の国でやってもいいって思ってるんですね。なので、自分がやりたいことを会社内でもっと貫き通して、やってほしいです!例えばAIの技術を高めたくて、AIに関する事業をやりたいと協調してくれたら、うちのビジネスとどう絡められるか提案できたらと思っています。事業ベースでも技術ベースでも、もっと主張をしてほしいなと思っていますね。

最後に、御社として今後どのような方と一緒に仕事がしたいと思いますか?

金子さん:外国人の方は是非、熱い思いを持って応募してもらって、うちの会社で自分の夢を叶えてもらいたいです!従業員が幸せに働けていない会社には、先がないですし、幸せに働けるからこそ一番バリューを発揮できると思っていますね。そういう環境を会社がどう提供していくのかも絶対に考えなくてはいけないですね。外国人とか日本人とか関係なく、会社の中で自分のやりたいことをやる!という思いを持って仕事をしてほしいです!

岡本:ありがとうございました。


外国籍エンジニアの活躍によって、マーケットの拡大も順調に進めている株式会社ジーニアス。彼らに入社して定着してもらうためのヒントがたくさんありましたね!日本人・外国人問わず、本人と向き合い、その人の夢を叶えられる環境を企業が提供されてます。是非、真似したいですね!

インバウンドテクノロジーは、求職者・企業にしっかりヒアリングしてご紹介することで、定着UPのお手伝いをします!一緒に採用率も上げていきましょう。