特定技能「外食」とは?受け入れ要件・試験概要・採用方法を徹底解説

11月 1, 2021 0 Comments

現在、日本では労働者不足・人手不足がとても深刻です。その問題を緩和するため、政府は積極的に人手不足対策に乗り出しています。

その一つが、2019年4月に新たな在留資格として導入された「特定技能」です。優秀な外国人が即戦力となり、日本の外食産業を支えると期待されています。一方で、外食業における「特定技能」についてイマイチ理解できていない担当者の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、特定技能「外食」について、従事できる仕事や採用の過程、資格取得概要などわかりやすく解説します。

外食業の特定技能とは

 在留資格「特定技能」とは、2019年4月に新設されたビザの区分です。この資格は、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れ、日本の産業が抱える深刻な人手不足を緩和することが狙いです。特に国内人材の確保が困難な状況にある外食業のような分野では大きく期待されています。

農林水産省が発表している外食業の欠員率は、他産業と比べて2倍以上高くなっており、国内人材の確保が難しいことが見受けられます。

出典:農林水産省 「外食・中食産業における働き方の現状と課題について」

外食業は大きな市場規模をもつ重要産業の一つですが、このまま人手不足が続くと廃業に追い込まれてしまう可能性もあります。

そこで、政府は2年前に即戦力となる外国人人材を受け入れられるように法改正を行いました。始まって間もない制度ですが、特定技能「外食」の外国人は2021年6月時点で累計1,517人となっており、今後も拡大していくと考えられます。

なお、特定技能には1号と2号がありますが、外食分野は1号のみとなります。 特定技能について、また1号と2号の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

特定技能とはどんな制度?1号・2号の違いや採用の流れを徹底解説 – インバウンドテクノロジー株式会社 (ib-tec.co.jp)

外食業における特定技能外国人の受け入れ要件

外食業において1号特定技能外国人を受け入れる事業者は,以下の飲食サービス業のいずれかを行っている事業所に就労させる必要があります。一口に外食業と言っても曖昧ですが、実際どのような業種が外食に当てはまるのでしょうか?

詳しく解説していきましょう。

対象となる業種

まず、対象となる業種は以下の通りです。

客の注文に応じ調理した飲食料品,その他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業(例:食堂,レストラン,料理店等の飲食店,喫茶店等)

  1. 飲食することを目的とした設備を事業所内に有さず,客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業(例:持ち帰り専門店等)
  2. 客の注文に応じ,事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業(例:仕出し料理・弁当屋,宅配専門店,配食サービス事業所等)
  3. 客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業(例:ケータリングサービス店,給食事業所等)

引用:法務省 「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」

上記のように1号特定技能の特徴は幅広いサービス業に就けることです。

雇用形態と雇用期間

特定技能「外食」においては原則として派遣形態での雇用は認められず、フルタイムの直接雇用に限ります。本制度における「フルタイム」とは、原則として労働日数が週5日以上かつ年間217日以上、ならびに週労働時間が30時間以上を指します。

なお、「アルバイト・パートタイム」は対象外です。契約期間の上限は原則として3年(一定の場合に上限は 5 年 ) とされています。

報酬要件

特定技能「外食」での報酬額については、基本的に日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額と同等以上であることが求められます。以前から問題となっていた外国人に対する低賃金労働の問題を解決するため、現在では外国人を低賃金で雇うことは禁止です。

※給料の支払いは必ず預金口座への振込が義務付けられているので、手渡しなどでは行わないように気を付けてください。

採用人数の上限 

外食業においては、1店舗あたりの特定技能外国人の雇用上限はありません。そのため、入社までの時間や費用、必要な人数を勘案しながらベストな採用方法を選択できます。

外食業の特定技能外国人が従事できる業務とは

1号特定技能外国人は飲食物調理、接客、店舗管理といった外食業全般に従事することが可能です。そのため、特定の業務のみならず試験等で立証された能力を用いて幅広い業務に従事する必要があると言えます。

ただし、職場の状況に応じて、一定の期間において特定の業務のみ従事することも差し支えありません。また、日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することも差し支えないとされています。

なお、関連業務として挙げられる例は以下の2つです。

  • 店舗においての原材料として使用する農林水産物の生産
  • 客に提供する調理品以外の物品の販売等

引用:法務省・農林水産省 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

このように特定技能は、外食業におけるほぼ全ての業務に携われるので、とても便利な就労ビザといえます。

外食業の特定技能外国人が従事できない業務とは

飲食にかかわる幅広い業務ができる特定技能ですが、雇用できない分野も存在します。法務省・農林水産省は、以下の業務に関しては1号特定技能外国人が従事してはならないと定めています。

 1号特定技能外国人を,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122 号。以下「風営法」という。)第2条第1項に規定 する風俗営業及び同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む営業所において就労させないこと。

  • ホストやキャバクラといった1号営業
  • 営業所内の照度が低い2号営業
  • インターネットカフェなどといった3号営業

引用:法務省・農林水産省 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

以下の風俗営業許可が必要な店舗での就労は禁止されています。また、陥落的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす接待も禁止されているので注意が必要です。

特定技能「外食」の資格を取得するには

特定技能「外食」を取得する方法は2通りあり、それぞれ条件が定められています。具体的には、

  1. 技能実習2号を良好に修了する
  2. 外食業技能測定試験と日本語能力試験に合格する

という方法です。それぞれ詳しく解説していきましょう。

①技能実習2号を良好に修了する

医療・福祉施設給食製造職種の医療・福祉施設給食製造において、技能実習2号の成績が良かった実習生は、外食業の特定技能ビザを取得することが可能です。しかし、この分野の技能実習生は全体の0.1%もおらず、制度利用が進んでいるとは言えません。

これ以外の職種・作業では、外食業の特定技能に移行できません。しかし、技能実習2号を修了していれば、日本語能力水準は満たしているものとして日本語能力試験は免除されます。

②外食業技能測定試験と日本語能力試験に合格する

実際に就職先で従事する内容に準ずる技能試験「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格することが義務付けられています。それに加え、接客に必要である日本語能力を計る「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4 以上)」に合格する必要があります。

外食業技能測定試験について

筆記試験は衛生管理、飲食物調理、接客全般の3科目から出題されます。それに加え、技能水準を把握するための実技試験も設けています。

試験内容を詳しくみてみましょう。

一つ目は接客全般に関する試験です。接客、食、店舗管理、クレーム対応、緊急時の対応に関する内容です。合格すると、接客や店舗管理の業務に必要な基本な知識があると認められます。

二つ目は飲食物調理の試験です。食材、下処理、調理方法、調理機器・器具・備品など、調理場での労働安全衛生に関する内容です。合格すると、調理場で仕事する際に必要とされる基本な知識があると認められます。

三つめは衛生管理についてです。衛生管理の基本とプロセス、またHACCP(危害要因分析重要管理点)に関する内容です。合格すると、日本の衛生管理の基本知識を習得したと認められます。

また、この試験には以下のように3種類の配点があります。

  • Aタイプ:一番一般的な配点で、衛生管理4割、飲食物調理3割、接客全般3割。
  • Bタイプ:飲食物調理主体の配点で、衛生管理4割、飲食物調理4割、接客全般2割。
  • Cタイプ:接客全般主体の配点で、衛生管理4割、飲食物調理2割、接客全般4割。

問題数の変更はありませんが、選ぶタイプにより、配点の割合が変わります。受験する外国人が自分の希望職種に応じて配点を選択できるのが特徴です。

詳しい試験の日程や内容について知りたい方は公式サイト「OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構を参考にしてください。

日本語能力試験について

以下の2試験のうち、どちらかの試験に合格する必要があります。

一つ目は国際交流基金日本語基礎テストです。こちらは特定技能制度が始まったと同時にスタートした比較的新しい試験であり、特定技能制度向けに特化した内容となっています。国外で受験可能なことや、実施頻度が多いことなどのメリットがあります。

二つ目は日本語能力試験です。この試験は30年以上前から外国人の日本語能力を証明する一般的なものとして用いられてきました。難易度レベルはN1~N5の5段階があり、1号特定技能外国人はN4以上が求められます。N4 は基本的な日本語を理解できるレベルであり、接客も行う外食業では必須の能力であるといえます。

※試験に合格したとしても、申請要件の一つを満たしたにすぎません。そのため、必ず在留資格「特定技能」を取得できるとは限らないので注意が必要です。

外食業で特定技能外国人を採用するには?

外食業において特定技能外国人を採用する方法はいくつかありますが、ここではおすすめの採用手法とその具体的な流れを解説します。

おすすめの採用手法

外国人専門の人材紹介会社を介して、採用する方法です。人材紹介から入国後までの手厚いサポートを提供している会社が多いため、人的コストを抑えることが可能です。

また、人材紹介会社を利用すると採用した人材が入社するまでは手数料が発生しません。よって、仮に採用できなかった場合に採用にかかる費用リスクを避けることが可能です。

採用の流れ

採用の流れは、採用したい特定技能外国人が国内にいるか国外にいるかで異なります。それぞれの採用の流れを確認してみましょう。

国内いる外国人(特定技能ビザ)を採用する流れ

現状では、インバウンドテクノロジーのような外国人材とのネットワークを持つ人材紹介会社からの紹介や、求人サイトでの募集が採用手段に挙げられます。

他には、アルバイトの留学生に技能測定試験に合格してもらい、そのまま特定技能外国人として雇用し続ける方法もあります。

国外にいる外国人(特定技能ビザ)を採用する流れ

海外の送り出し機関と業務提携している人材紹介会社を利用する採用方法で、人材紹介会社を仲介することにより、一気通貫のサービスを受けることが可能となります。他には、自社で海外の送り出し機関と直接連絡を取り合い、採用する方法があります。

特定技能外国人を採用する方法について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

特定技能外国人を採用するには?おすすめの方法・流れ・コストを解説

外食業で特定技能外国人を採用する際の注意点

特定技能外国人を採用するにあたって、気をつけなければならないことがあります。採用を考えている担当者の方は以下の点に気を付けてください。

食品産業特定技能協議会へ加入する

初めて1号特定技能外国人を雇用する場合、受け入れた日から4ヶ月以内に食品産業特定技能協議会に加入する必要があります。食品産業特定技能協議会は、特定技能制度の適切な運用を目的としており、法令遵守の啓発や人手不足の状況把握などを行っています。

必要な支援を登録支援機関に委託する・または自社で行う

1号特定技能外国人を採用するにあたって、必要な支援を登録支援機関に委託する方法と自社で行う方法があります。

しかし、自社で一括して行う場合には直近2年間に外国人労働者の受け入れ実績が必要であるといった一定の条件が定められています。それに加え、膨大な時間、人的コスト、また法令違反のリスクも無視できません。

そのため、委託料がかかったとしても、登録支援機関に委託する方が安心・安全であると言えるでしょう。

登録支援機関に委託する方法について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

特定技能「登録支援機関」とは?支援内容から申請方法、選び方まとめ – インバウンドテクノロジー株式会社 (ib-tec.co.jp)

外食業における特定技能に関するまとめ

外食業はホスピタリティとの兼ね合いから、全過程の機械化が難しい分野です。また、人手不足の解消と同時にインバウンドへの対応も同時に求められているため、特定技能外国人の需要が非常に高まっていいます。

ぜひこの機会に特定技能外国人を企業の即戦力として採用してみてはいかがでしょうか。

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