外国人労働者問題とは?原因から解決策までわかりやすく解説

1月 9, 2022 0コメント

日本では少子高齢化が進み労働者不足に陥っています。その解決策として、近年外国人労働者の需要が高まっていますが、それと同時に外国人労働者に関わる様々な問題が生じています。この記事は、外国人労働者の問題と具体的な事例、そしてその解決方法を紹介します。

近年の日本における外国人労働者の現状

冒頭でお伝えした通り、近年日本では外国人労働者が増加していますが、その背景には特定技能や技能実習などの国の政策があります。

外国人労働者の数は厚生労働省によると令和2年10月末時点で約172万人です。コロナ禍にもかかわらず前年比で+4.0%増加しました。国籍別では多い順にベトナム25.7%、中国 24.3%、フィリピン10.7%の順となっています。

引用:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

外国人労働者の雇用は日本の労働者不足の解決に大きく貢献しますが、それと同時に様々な問題も抱えています。次の章でその問題点について具体的に紹介していきます。

外国人労働者における5つの問題点

 外国人労働者に関わる問題点は5つに大別できます。ここでは外国人労働者の問題について、

  • 社会的な問題点
  • 受け入れ企業が直面する問題

に分けて合計5つ紹介していきます。

外国人労働者における社会的な問題点

残念ながら、現状では外国人労働者は言語の壁や文化の違いなどから社会的に弱い立場に置かれしまうことが多くなっています。また、一部の地域では外国人労働者の増加に伴う治安の悪化を心配する声もあります。まずは外国人労働者を受け入れる事による社会的な問題点を紹介します。

1.長時間労働など劣悪な労働環境

日本語があまり得意ではない外国人労働者が、不当に長時間労働を押し付けられたり、いじめやパワハラなどを受けているというケースは少なくありません。

日本で働いている限り、外国人労働者は日本の労働基準法を遵守しなければいけません。しかし、日本語が得意でなく日本の法律に詳しくない外国人労働者は、会社側の不当な要求を受け入れてしまい、声を上げづらくなっています。

厚生労働省は2020年に行った調査の結果、技能実習生が働く職場の70.8%(監査に入った8124事業所のうち5752事業所)で労働基準法や労働安全衛生法違反が見つかったと発表しています。なかでも、外国人労働者の長時間労働は、労働基準法の違反事項として最も多くなっています。

2.低賃金での雇用

外国人労働者の中でも特に技能実習生で問題視されているのが、低賃金や賃金未払いの問題です。

本来、技能実習は「外国人に日本の技術を学んでもらい、母国で役立ててもらう」という制度です。しかし、実際は「外国人労働者=単なる安い労働力」という認識をもった日本人も少なくありません。

法的には日本に住んでる以上、外国人労働者にも日本の最低賃金が適用されます。よって最低賃金以下の給与はたとえ雇用主と労働者間の双方の合意があったとしても違法です。

一方、企業にとっては技能実習生に支払う給料に加えて、監理団体への支払いや採用コストなどがあり、全体の人件費を抑えるために賃金を上げにくいという背景もあります。

また外国人労働者にとっては、外国人はビザの制限があるため滞在期間などが限られています。よって外国人労働者は日本人よりも転職のハードルが高く、賃金や労働環境に納得がいっていなくても働き続けるしかないという背景もあります。

3.治安の悪化など地域との摩擦

外国人労働者の増加に伴い、治安の悪化を危惧する日本人も少なくありません。また、地方では外国人に慣れていない地域も多く、住民が外国人に対し不信感を抱き、差別的な態度をとってしまうこともあります。

NHKが2020年に行った調査では、日本全体として外国人の受け入れに賛成している日本人は70%いるものの、実際に自分の地域に外国人が増えることに対して賛成している人は57%という結果になりました。

引用:日本で働く外国人増加「賛成」が70% NHK世論調査

一部の地域の日本人が外国人を拒絶する理由には3つあります。まずは治安の悪化に対する懸念です。次に、言語や文化の違いから生じるトラブルになります。最後に外国人労働者によって日本人の仕事が奪われることに対する心配などがあります。

 

### 外国人労働者を受け入れる企業が直面しやすい問題

   

次に、日本企業が外国人労働者を受け入れるにあたって直面しやすい問題を企業側の視点で紹介します。

 

#### 4.コミュニケーション問題

 

日本企業側は、言葉の壁と文化の違いによって外国人労働者とコミュニケーションを図るのに苦労しているという問題があります。

 

外国人労働者が日本語を十分理解できなかったり、日本企業側が英語ないしは外国人労働者の母国語を話せなかったりすることで、互いに十分なコミュニケーションを取ることができず、様々なトラブルやお互いのストレスにつながります。

 

また文化が異なるために、その国に独特な生活習慣や時間のルーズさなどが原因となり日本人社員と外国人労働者の間で互いにストレスを感じることケースもあるそうです。

 

一例ですが、ベトナム人は会社よりも自分自身や家族を大事にする傾向があります。ネパール人は否定するときに首を縦に振り肯定するときに首を横に振ります。中国人は合理的な仕事を好み、購入意欲が低い顧客に対して積極的にアプローチをとらない傾向があるそうです。

 

#### 5.外国人労働者雇用の知識不足

 

外国人を雇用する際には、日本人とは違った法律や制度が適用される部分もあります。そのため日本企業側は、外国人の雇用手続きや入国管理法について正しく理解し、適切な方法で雇用しなければいけません。

 

例えば、受け入れ企業側は雇用前の段階で外国人労働者の在留資格や在留期限を見て就労可能かどうかを確認しなくてはなりません。そして、雇用が決まり入社をしたら「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出します。さらに、在留資格によって就労時間の制限がある人は限度を越えていないかの確認も必要になります。

 

もしどこかに不備があると不法就労となり、最悪の場合は強制退去となってしまいます。不法就労させてしまうと、外国人労働者側と雇用者側の双方にデメリットがあるため、正しい手続き方法を知る必要があります。

## 外国人労働者の雇用で実際に起こったトラブル事例

    

次に、実際に外国人労働者を雇用した際に発生したトラブルの事例とその解決策を紹介しましょう。

 

#### 契約内容に関するトラブル事例

 

東京都の労働局の相談事例を紹介します。

 

> 飲食店で働いていた外国人労働者は、採用時に「時給1,000円」という約束のもと就業を開始した。1ヶ月後日本語学校の春季休暇中に帰国するため、店長に退職を申し出たところ、退職は認められたが、最後に支払われた賃金が時給739円 (最低賃金) に引き下げられた。 会社は「気軽に辞めていく外国人が多く、防止するためにこういう対応を取らざるを得ない」 と主張していた。(引用元:外国人労働者の雇用をめぐる相談事例

 

上記の事例では、きちんと採用時の約束の通りに給与を支払わない会社側に非があると認定され、最終的には当初の約束通りの時給が支払われました。

 

仮に会社側に非がない場合でも、思い違いなどで契約と実際の内容が違うと言われてしまう場合が考えられます。これらの思い違いやミスを防ぐためには、雇用契約書の中身をきちんとわかりやすい日本語ないしは労働者の母国語で説明することが重要です。

 

また、のちに労働者側から「そんな話聞いていない」と言われないためには、わかりやすい日本語で伝えることのほかに、チェックボックスを設けることも推奨されます。

    

#### 解雇に関するトラブル事例

 

東京都の労働局の事例から紹介します。

 

> 相談者は10カ月間の契約で英会話講師をしていたが、働き始めて4ヶ月後相談者の勤務態度不良 (やる気のない態度など) について学校側より注意を受けた。 その2週間後に 「勤務態度に改善が見られない」 として解雇予告期間が設けられ、その間の勤務を免除された上で解雇通告された。 学校側は「入社直後から非常識で粗暴な態度が見られ、職員にも生徒にも受け入れられない状況であった」との主張であった。(引用元

    

上記の事例では、最終的には学校側がトラブルの早期解決のために解雇予告手当相当分の賃金補償をしました。

 

このようなトラブルを防ぐためには、雇用側と外国人労働者間での信頼関係を構築し、より丁寧な説明が求められます。

 

解雇の理由によるトラブルは日本人相手でも起こりうるため、日本語が通じにくい外国人に対してはより一層丁寧な説明を要します。

 

###  外国人労働者問題に対して企業ができる解決策

 

次に外国人労働の問題に対して企業側ができる解決策をご紹介します。    

 

#### 働きやすい環境を整備する

 

多くの外国人労働者は様々なバックグラウンドをもち、日本語だけでなく日本の職場文化や日常生活に関してもわからないことばかりです。このような場合は、ほかの経験豊富な外国人労働者や、海外文化に理解の深い従業員をサポートに付け、公私に渡って信頼関係を構築することが大切です。

 

また、外国人労働者を雇用する時には、既存の就業規定を変える必要が出てくる可能性があります。例えば、昇級の基準に外国人用の基準を設けたり、日本人と外国人を平等に評価できる仕組み作りが必要になります。

 

さらに、就業規定や仕事のマニュアルなどの外国語版を作成したり、案内板などに外国語を併記したりといった準備も必要不可欠でしょう。

 

いずれにせよ、外国人の視点でどんな環境なら社内でイキイキと働けるかを考える必要があります。



    

#### 雇用契約の締結と遵守を徹底する

 

外国人労働者を雇用するには雇用契約の締結が必須となります。また、受け入れ企業には労働基準法の規定に基づいた雇用契約を作成し外国人労働者に配布する義務があります。

 

更に、企業は雇用契約書に記載された項目を守らないといけません。明記した金額より低い金額を支払ったり、明らかに異なる業務を外国人労働者にさせたりすると、労働基準法の違反だけでなく、不法就労助長罪や在留資格等不正取得罪など入管法にかかわる罪も問われる可能性があります。

 

外国人労働者がしっかり納得して契約できるよう、契約内容を明確にかつ分かりやすくすることも重要です。口頭での説明ではなく書面にし、できれば外国人の母国語でも同じ内容の書類を作成できると良いでしょう。

    

### 外国人労働者の様々なメリットも把握する

外国人労働者を受け入れることで多くのメリットがあることを認識することも、企業ができる解決策の一つと言えるでしょう。

 

外国人労働者の雇用には以下のようなメリットがあります。

 

– 人手不足の解消

– 海外進出の足掛けとなる

– 訪日外国人への多言語対応が可能になる

– 異文化の発想を取り入れることができる

 

さらに詳しく外国人労働者のメリットについて知りたい方は下記の記事をご覧ください。

    

### 外国人労働者を正しく採用するには?

 

外国籍の人材を採用するためには、大まかに以下のステップを踏む必要があります。

 

  • 採用活動   

外国人労働者の在留資格には種類があるため、どのような人材を雇いたいかによって採用プロセスは異なります。たとえば、通訳や翻訳の一般的な職種の求人を応募する際は、一般的な求人情報サイトに掲載するだけで十分かもしれませんが、ブロックチェーン技術に特化したエンジニアなどの極めて特殊な職種を応募したい場合は、その求人に特化した求人サイトを利用するほうが良いでしょう。

  • ビザの取得と確認   

外国人労働者を雇用する際は就労ビザが必要です。就労ビザにも種類があるため、外国人労働者の持っている就労ビザが、自社の事業内容と合致しているか確認しましょう。また、就労ビザを取得していない場合は新しく取得する必要があります。

  • 雇用契約の締結   

外国人労働者を雇用するには雇用契約の締結および配布が必須となります。また、雇用契約の締結ののちに、企業が外国人労働者の就労ビザの申請をしたものの、審査結果が不許可である可能性もあります。このような場合は、事前に外国人労働者に対して、就労ビザが許可されなかった場合の採用取消の可能性を伝えて了承を得ておく必要があります。

  • 就労スタート

外国人を雇用する際はハローワークへの届け出が義務付けられています。(ただし、外国人労働者が雇用保険に加入する場合は必要ありません。)また、就労がスタートしたら在留期間に気を付けましょう。期間満了が近づいたら更新しなければなりません。もし期限を過ぎても更新せずにいると、労働者本人や企業が罰せられる可能性もあります。

また、外国人採用に関しては多くの煩雑な手続きが存在するため、自社で1から採用することは極めて難しいと思います。その際は、外国人労働者の採用を支援するサービスを利用するのも良いでしょう。

外国人労働者問題に関するまとめ

上、外国人労働者に関する問題とその解決策を紹介してきました。外国籍の人材を採用したい企業様は言語の壁や文化の違いから生じる問題を理解した上で、外国人の目線に立ってより良い労働環境を構築する必要があります。

外国籍人材を生かすも生かさないも、その企業にかかっています。国策として特定技能の受け入れが進んでいたり、国内での優秀なエンジニアが不足する中で、ぜひ外国籍人材の採用を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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