2021年9月1日にデジタル庁が発足されました。政府もデジタル化を推進するなかで、エンジニアの需要はますます高まっています。
しかし、実際エンジニアの採用に関しては需要と供給がマッチしておらず、優秀な人材確保は困難です。そこで今回は、エンジニア採用が難しい7つの理由と、優秀なエンジニアを採用するためのポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
エンジニア採用が難しいとされる7つの理由
近年、エンジニアを採用することはハードルが高いとされています。他の業種に比べ、採用が難しい理由として、いくつかの社会的背景や採用条件などが挙げられます。まずはエンジニア採用が難しい理由を紹介しましょう。
1.需要が高く競争が激しいから
多くの企業がデジタル化に移行するなかで、エンジニアにしかできない専門的な仕事が増えています。そのため、必然的にエンジニアの需要が高まっているのでしょう。
しかし、高い需要がある一方でIT業界は供給が追いつかず、2018年から人手不足に陥っています。

すでにエンジニアの数が足りていないことに加え、経済産業省は10年以内に約79万人もの需要ギャップが生まれると予想しています。このように需要と供給の差が激しいのが特徴です。
そのため、必然的に競合他社間でエンジニア獲得のための競争が生まれてしまうのです。
2.「経験者」を求める傾向が強いから
新型コロナウイルス感染症の打撃を受け、採用コストや採用ターゲットの見直しを行う企業も多くなっています。そのなかで、初めから未経験者採用を行わず、即戦力となる経験者だけを採用する企業も少なくありません。
しかし、多くの企業が経験者を求めているため、知識・経験が豊富なエンジニアの採用はより難易度が高くなってしまいます。
3.IT業界は専門性が高く変化も激しいから
昔ながらの技術や成熟した技術に需要があるのは勿論です。しかし、IT業界は他の業界と違い発展途上にあるため、日々新しい高度な技術が誕生しています。
めまぐるしく変化するこの業界で、全てのエンジニアが求められる業務内容をこなせるとは限りません。そのため、採用担当者は現場のニーズに合わせて知識をアップデートし、求職者のスキルや経験が条件に満たしているのか正しく判断する必要があります。
4.働き方が多様化しているから
働き方への価値観が変わっている中、企業に正社員として所属するのではなく、フリーランスとして働くエンジニアが増えています。また、副業を認める企業も増えており、優秀なエンジニアであれば副業として他社で働いている方もいます。
多様な働き方によって自身が望むキャリアを実現できるようになり、転職を望むエンジニアの数は減少傾向にあります。
5.優秀な人材の流動性が低くなっているから
どこの企業もエンジニアの人手が足りていないのが現状です。そのため、優秀なエンジニアが離職しないように企業側も給与や待遇、労働環境を改善する取り組みを積極的に行っています。
そのため、優秀な人材であればあるほど転職市場に出てきません。このような背景から、いくら採用にコストをかけようとも優秀な人材を獲得できる可能性は下がっています。
6.転職者のスキルの見極めが難しいから
採用担当者は人事系のキャリアを歩んできた人が多いため、実務業務においてのエンジニアスキルを選考過程で見極めることは困難です。そのため、現場のニーズと人事担当者が選考を進める人材との間でギャップが生まれます。
例えば、知識・経験が申し分ないエンジニアであっても、面接した感覚から自社に合わないと判断されてしまえば採用を見送られてしまいます。そのため、人事担当者はしっかりと現場のニーズにあった条件を重視するように心がけなければなりません。
7.条件がマッチしない事が多いから
エンジニアの市場価値が高まっている影響で、求職者側から求められる給与水準や待遇条件が高まっています。しかし、教育体制が整っていない中小企業などでは経験者の需要が高いのにも関わらず、競合他社に提示している給与・待遇といった条件面で負けてしまう場合があります。
また、経営層が採用市場におけるエンジニアの採用難易度を把握できていないため、雇用条件の改善が行われていないケースも少なくありません。
エンジニア採用を成功させる為のポイント
エンジニアの採用が難しい理由を解説してきました。それではどうすれば自社が求めているエンジニアを採用できるのでしょうか?
エンジニア採用を行うにあたり、押さえておきたいポイントがいくつかあります。以下のポイントをしっかりと押さえ、採用成功率を高めましょう。
自社が求めるエンジニアを明確に定義する
エンジニア採用に限らず、求める人材条件を明確に提示することは必要です。それらの要項を求職者に対してわかりやすく求人をかけることが、エンジニア採用を成功させるポイントです。
例えば、セキュリティエンジニアや組み込みエンジニア、クラウドエンジニアなどさまざまな業種が存在します。プログラミングスキルにおいてもJavaやPythonなどといった様々なプログラミング言語があります。
求める業種・スキルに優先順位をつけて、具体的な求人をかけてください。
現場エンジニアの協力を仰ぐ
採用を失敗してしまう1つの要因として、人事担当者のエンジニア・ITに関する知識不足が挙げられます。エンジニアを採用するにあたって、知識や経験が豊富なほうが有利に働くため、現場エンジニアに協力を仰ぐことが必要不可欠です。
即戦力人材にこだわり過ぎない
経験者だけではなく、長期キャリア形成をはかるため新卒採用を行うのも良いでしょう。多くの企業が経験者の採用に力を入れている中、成長意欲の高い人材の獲得に力を入れるのはいかがでしょうか。
未経験者の多くは成長意欲が高く、業務の習得も早い傾向にあります。また、未経験者を迎え入れることは会社に活気をもたらすことも期待できるなど、多くのメリットがあります。
レスポンスの速さやリードタイムを短くする
市場価値の高いエンジニア採用においては、スピード感が最も重要となります。求職者に対する対応はできるだけ早く行うのが重要なポイントです。
また面接を実施する場合には、できる限り企業側が求職者に合わせた日程調節を行うのもポイントです。どうしても候補者との面接を優先できない場合は、リモートでの面接を推奨します。
このように、書類選考から面接実施までのリードタイムを短くすることで、求職者が他の企業に流れてしまう可能性が低くなります。
エンジニアの転職理由や希望を理解する
就職活動や転職活動における企業選びの軸や志向性は、十人十色です。少しでも入社後のミスマッチを減らすためには、採用前に各求職者の転職理由や求める条件をしっかりヒアリングすることが重要です。
必ずヒアリングを行い、能力や経歴だけで判断せず、自社の条件に合ったエンジニアを採用しましょう。
自社に適切な採用手法を活用する
エンジニア採用には様々な採用方法があります。主な手法は以下の通りです。
- 求人媒体サイト
- ダイレクトリクルーティング
- 人材紹介(転職エージェント)
- リファラル採用
- 業務委託
それぞれの採用手法ごとに特徴があるので、自社にあった採用方法を検討しましょう。
エンジニアの採用手法や具体的な戦略について詳しく知りたい方は、こちらの記事を御覧ください。
エンジニア採用を成功させるには?具体的な戦略とおすすめサイト10選
エンジニア採用に強い代表的サービス
エンジニア採用を行っているサービスはたくさんあります。今回はその中でも特にエンジニア採用に特化したサービスをご紹介します。
Green

運営会社 | 株式会社アトラエ |
採用方法 | 運用型求人媒体・ダイレクト・リクルーティング |
料金体系 | 初期費用+成果報酬 |
登録求職者数 | 約59万人 |
Greenの登録者の約8割は20代~30代の若手層です。しかし、エンジニア・クリエイティブ職種経験者は過半数を超えており、若手エンジニア経験者採用にとても強いサービスだと言えます。
経験者の割合が非常に高いことが特徴ですが、他のサービスに比べると登録者数が少ないことがデメリットです。
しかし、一度初期費用を払えば永久的に利用できる点や、成果報酬型である点は、費用リスクを抑え経験者採用を成功させたい企業様にはおすすめです。
Wantedly

運営会社 | ウォンテッドリー株式会社 |
採用方法 | 運用型求人媒体・ダイレクト・リクルーティング |
料金体系 | 掲載期間6ヶ月で27万円~/掲載数の制限なし/成果報酬なし |
登録求職者数 | 約300万人 |
Wantedly の登録者は20代~30代の若手層が多いのが特徴です。また、求職者の企業からのメッセージの開封率は80%、返信率は20%と高く、アクティブユーザーが非常に高いことも特徴だと言えます。
そのうえ、成果報酬型ではないため採用人数により料金が変わることはありません。採用コストを大きく抑えることが可能です。
Wantedlyは給与・待遇の記載が禁止されているため、会社のビジョンに共感した人を採用できる可能性があります。しかし、従来の求人サイトとは切り口が異なるので注意が必要です。
マイナビITエージェント

運営会社 | 株式会社マイナビ |
採用方法 | 人材紹介・運用型求人媒体 |
料金体系 | 完全成功報酬型(広告費0円) |
登録求職者数 | 非公開 |
マイナビITエージェントの最大の特徴は、国内最大級の転職支援を行っているマイナビグループ全体の採用リソースだと言えるでしょう。他のグループが有する各種サービスと組み合わせることも可能です。
また、業界専任スタッフによるサポートも受けることができ、非常に心強いサービスを提供しています。エンジニア採用が初めての企業様にはうってつけの媒体です。
エンジニアの採用面接で聞いておくべき質問事項
エンジニアの採用面接では、求職者に確認しておかなければいけない事項がいくつかあります。少しでもミスマッチを回避するため、以下の要項は必ず面接時に質問しておいてください。
- 条件を満たしているのかを確認する
- 志望動機
- これまでに作ったサービス・関わったドメインの市場環境といった過去の実績
- 使ってきたプログラミング言語などの専門知識
- 本人の興味・関心を尊重した今後のキャリアプラン
- チームとして働くことができるかの協調性
- どのように自社に貢献できるのかというスキル面に関しての強み
限られた時間の中で求職者が持っているスキルや人間性を知ることは難しいかもしれませんが、時間を有効に使うためにもエンジニア面接の質問はしっかり吟味して用意しましょう。
エンジニアの採用面接の際に聞いておくべき質問について、具体例やポイントを知りたい方は以下の記事をご覧ください。
エンジニア採用面接の質問で聞くべき事とは?具体例15選と注意点
外国人エンジニアの採用を検討するなら
上記で紹介した通り、エンジニアの需要は高まる一方です。それだけでなく、国内のエンジニア市場は小さい為、優秀な人材の確保が難しいのが現状です。
そこで、即戦力となる外国人エンジニアの採用を考える企業が増えています。優秀でモチベーションの高い人材が確保できるのはもちろんのこと、社内の活性化や海外進出の足掛けになるなどのメリットがあります。
外国人エンジニアが注目されている今、ぜひ海外人材の採用を考えてみてはいかがでしょうか。外国人エンジニア採用についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
外国人エンジニアを採用するメリットは?具体的な方法や注意点も解説
エンジニアの採用が難しい理由についてのまとめ
日本のIT業界は深刻な人手不足に陥っています。エンジニア採用の需要が高まる一方で、国内人材の確保は極めて困難です。
今後ますますエンジニア採用が難しくなると予想されるため、この機会に外国人エンジニアの採用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。外国人エンジニア採用に興味を持っていただけた担当者の方は、ぜひ一度弊社にお問い合わせくださいませ。